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唯「ロッキー!」 

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:35:51.65 ID:Qj7oz5vSO
ここは、とある街の、さびれたボクシング会場。

私はそこのリングの上に立っている。
観客はまばらで、照明は薄暗い。
もちろんテレビ放映なんて絶対にされない汚いリング。
それでも日々の生活のため、私はそこに上がらざるを得ない。

私の名前がコールされる。

赤コーナー 156センチ 111ポンド
25戦14勝10敗1引き分け
14勝のうち8勝がノックアウト

女子フライ級
平沢 唯


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:39:01.12 ID:Qj7oz5vSO
対戦相手が迫ってくる。
若い、勢いのある選手だ。
私は派手な試合をするつもりなんて微塵もない。怪我をしてしまうと痛いし、治療費がかさむからだ。
今更ボクシングなんかに愛着も何もない。
ファイトマネーさえ貰えればいい。
クリンチでごまかして攻勢を凌ぎつつ、よそ事を考える。

そうだ、今ごろさいたまスーパーアリーナでは、澪ちゃんのタイトルマッチがやってたはずだ。
見たかったなぁ、澪ちゃんの9回目の防衛。

そんなことを考えていると、徹底したクリンチに痺れを切らした相手が思いっきり頭突きをしてきた。
観客席から汚い野次が飛ぶ。
いったぁ…完全に故意のバッティングじゃん。
タイトルマッチとかではめったにお目にかかれない光景だけど、この辺のレベルじゃよくいるんだよなぁ、こういうの…





4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:40:34.24 ID:Qj7oz5vSO
試合は相手の反則負けとなった。
ま、ファイトマネー貰えたしいいや。
これで2、3週間は食ってけるもんね。
そうだ!ちょっとお酒でも買っていこう、今晩は憂と二人でささやかなパーティーだね。


―平沢家
唯「うい~、ただいま~」
憂「おかえり!お姉ちゃんどうだった!?」
唯「一応…勝ったよぉ」
憂「ほんと!?やったー!おめでとうお姉ちゃん、すごいよ!」
唯「えへへ…はいビール、今夜は飲むよ~」
憂「おー!」





5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:42:03.06 ID:Qj7oz5vSO
憂「あ、そうだお姉ちゃん、澪さんの試合テレビでやってたよ」
唯「おお、どうだった?」
憂「1R KO。澪さん9度目のWBA世界フライ級王座防衛成功」
唯「へぇ~、また勝ったんだ!1RKOかぁ、やっぱり澪ちゃんはすごいなぁ」
憂「うん…あ、お姉ちゃん、そこの棚からお醤油とってくれる?」
唯「? いいよ~、どこ?」
憂「その一番高いとこの棚だよ。
この足じゃ…取りづらくってさ」
唯「…そっかぁ。じゃあもうちょっと低いところに置いとくね」
憂「うん、ありがとう」





6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:43:55.48 ID:Qj7oz5vSO
―私の名前は 平沢 唯。
高校では軽音部で、仲間たちとダラダラして。
部活後はボクシングジムに通って汗を流して。
そんな充実した青春を過ごした。

そう、みんなには言ってなかったけど、実は私がいくら食べても太らない理由はジムで運動してたからなんです!

そんな、ダイエット目的で始めたボクシングだったけど
高校卒業後、大学にも行かず、仕事に就こうにも何も資格を持っていなかったから
ネタでボクシングのプロテストを受けたらまさかの合格。
その後10年間、プロボクシングの世界で生きてきた。
通算成績は26戦15勝(8KO)10敗1分。まぁ平々凡々ってやつだ。スターには程遠い。
ただでさえ女子ボクシングの、しかも軽量級の選手。
スターになれなきゃ、ファイトマネーは雀の涙。
更に、アテにしていた妹の憂が、交通事故で下半身不随になり、働けなくなった。
程なくして両親も死んでしまったため、私は一人で二人分の家計を稼がなければならなくなってしまった。






9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 21:54:30.95 ID:Qj7oz5vSO
当然ファイトマネーだけでは生活していけないので、ヤクザの下で借金の取り立て屋さんなんかをして稼いでいる。あ、このことは憂には内緒だけどね。

だけどやっぱり何をやってもさえない私。

借金の取り立ても、相手が可哀想になってしまって脅すことができず、満足な成果は得られていない。いつも上のヤクザの人にどやされる毎日だ。
そして今日も。
昨晩の憂とのパーティーで金をつかいすぎてしまった為、小遣い稼ぎに取り立ての仕事を貰ったのだ。
今日は…小さな精肉工場を経営してる人だって言ってたな。
なんか浪費癖がたたって多額の借金を溜め込んでるんだって…めんどくさそうだなぁ。
ま、いいや、とにかく行ってみよう。
私はヤクザの人に貰った地図に示された場所へ向かって、ゆっくりと歩き出した。





11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:04:57.38 ID:Qj7oz5vSO
冬も間近だ。寒い。私は高校生の時、憂に貰った手袋をして歩く。
工場へ向かう間の道中、澪ちゃんのことを考えていた。
高校時代は同じ軽音部で、同じ部屋にいて、同じようにムギちゃんの紅茶を飲んで…
共に笑い合い、語り合い、共に三年間を過ごした。
そんな澪ちゃんも、今では私の手が届かない場所に行ってしまった。

「KOクイーン」秋山 澪
通算成績27戦全勝、うちなんと22勝がノックアウト勝利。軽量級としては異常な数字だ。
サウスポー・スタイルでの隙のないテクニックと、一撃必殺のカミソリのようなパンチを併せ持つ

彼女は高校卒業後、大学のボクシング部に入って瞬く間に才能を開花させ、オリンピックでメダルを取った後、大学を中退しプロの世界に飛び込んだ。
そして現在WBA世界フライ級王座を9連続防衛中、無敵のチャンピオン。
あまりに強すぎて試合が成立しないため、昨日の相手なんて2階級も上の世界チャンピオンだ。それでも1RKO勝利。
もはや男と試合したほうが良いのではとまで言われている。
その美貌も相まって、今や国民的大スターだ。昨日の試合の瞬間最高視聴率は40%を超えていたらしい。





14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:16:16.79 ID:Qj7oz5vSO
やっぱり澪ちゃんは何をやってもできる子だ。高校時代からそうだった。
それに比べて私は…

なんで、世の中はこんなに不公平なんだろう?

こんな何の才能もない私に、チンピラみたいな生活を送っている私に、生きてる意味なんてあるのだろうか?
いっそ潔く死ぬべきではないのだろうか?
最近よく、そんなことを考える。

だけど、それを考える度に、憂の笑顔が頭に浮かぶ。
私のたった一人の妹であり、最大のファン。
私の勝利を誰よりも喜んでくれ、誰よりも私を慕ってくれる。
そうだ、多分憂との何気ない日常が、私にとっての最後の「生きがい」なんだろうな。
憂がいてくれなかったら、私とっくに…





17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:19:49.94 ID:Qj7oz5vSO
>>12
女子も階級分けの基準は基本的に男子と変わらないため、重量級にすると90キロとか100キロになります

ちなみにフライ級は112ポンド(51キロくらい)以下です
澪が少し減量して出場してるって感じでしょうか
唯にはちょうどいい階級です





19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:28:06.42 ID:Qj7oz5vSO
そんなことを考えていると、精肉工場に到着した。
なるほど、外観からしてもう明らかに儲かってなさそうな工場だ。
私は入口の前に立ち、声を張り上げる。

唯「ごめんくださ~い」

返事はない。

唯「誰もいませんかー?」

返事は返ってこない。

唯「あの~、借金、返して貰いたいんですけどぉ」





20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:37:09.23 ID:Qj7oz5vSO
私が「借金」という言葉を口にした瞬間、静まり返っていた工場内から、ガタガタッといういきなり飛び起きる音や、ガシャーンと何かを倒す音が聞こえた。
こりゃ相当動揺してるな…なんかかわいい♪

唯「あの~、利子だけでもいいから、返して欲しいんですけど~」

「ちょちょちょ、ちょっと待ってくれ!今月競馬とパチンコで全部すっちまって…今2万くらいしか手元にないんだ!勘弁してくれ!」

中から口調に似合わぬかん高い声が響く。

唯「あれ…?この声、もしかして…」





22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 22:48:31.64 ID:Qj7oz5vSO
唯「あの、とりあえず、ドア開けて下さい」
「いやだ、殺される~!」
唯「乱暴はしないから、ドア開けて…」

私がそこまで言った瞬間、罵声と共にドアが勢いよく開き、ドアの外に立っていた私ははね飛ばされた。

唯「うう…いたた」

「うるせえんだよ取り立てのチンピラが!いいかよく聞けよ?
私は今や国民的ボクサーになった秋山澪の同級生で親友なんだぞ!?
しつこく取り立てに来んなら澪を雇っててめーらをフルボッコに……ってあれ?」

「お前……ゆ…い?」





25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 23:01:37.10 ID:Qj7oz5vSO
声でなんとなくわかっていたが、やっぱりだ。
私の前に仁王立ちした人物に、私は見覚えがあった。

小柄な体、私と同じ茶髪の頭には黄色いカチューシャ。
10年たっても高校時代と全く変わらない、若々しく気の強そうな顔…には、借金苦からか、疲れの色が浮かんでいるが…

唯「りっちゃん!!」
律「…唯!唯じゃないか!どうしたんだ?久しぶりだなぁ!」





27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 23:14:33.99 ID:Qj7oz5vSO
唯「どうしたもこうしたも…今、私借金の取り立てやってるんだけど」
律「そ、そうなのか…」
唯「けど、折角のりっちゃんだから、今日は取り立てナシ!」
律「ほ、本当か!?唯ぃ~、お前は天使だ!エンジェルだ!」

ああ、後でヤクザの人に怒られるだろうなぁ…
ま、いっか!こんなところでりっちゃんに会えるなんて、今日は本当にツイてる!

唯「久しぶりに会ったんだし、何か喋ろうよ!」
律「大歓迎だ、ほら、精肉工場だからちょっと臭いけど中に入ってくれよ」
唯「りっちゃん家は?」
律「家は…金がなくて売っちまった。今はここに寝泊まりしてるんだ」
唯「り、りっちゃんも大変なんだねえ…」
律「ああ、何も仕事なくて、一念発起して工場経営者になってみたものの
この不況で赤字続きさ」





31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 23:30:58.65 ID:Qj7oz5vSO
工場の中に、りっちゃんが寝泊まりしている小さな部屋があった。
りっちゃんは私をそこへ招き入れる。

律「けど、唯も大変だよなぁ、ヤクザの下で働かないと仕事もないんだろ?」
唯「不況だからね…高卒じゃ、どこも雇ってくれなくて」
律「そうだ、ボクシングはどうなんだ?まだ続けてるのか?」
唯「いちおう続けてるよ~、けどファイトマネーだけじゃ…ねえ」
律「そっか…、澪のファイトマネーは一億円を超えてるってのにな」
唯「あはは、澪ちゃんは次元が違うよ~、もう住む世界が違うんだよ」
律「はは、そうだよな」
唯「澪ちゃんは外を歩くだけでファンが群がってくる大スター。
けど、私なんて、試合をしてもどこの誰も気付かない。
名前すら誰も知らないんだよ」
律「そっか…けどな唯、お前がボクシング続けてるなら、私は澪と同じくらいお前のことも応援するからな」
唯「ふふ…ありがとうりっちゃん」

ああ、やっぱりりっちゃんは私の心の友だ、親友だ。
再会できて、本当に良かったなぁ。





32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 23:34:22.43 ID:Qj7oz5vSO
その夜、私とりっちゃんは、少ないお金を出し合って、さびれたバーで再会を祝った。
お酒が回るうち、りっちゃんはどんどんハイになっていき、荒っぽい口調で私に愚痴をこぼした。
高卒で働き口が見つからず、工場を建てることを決意して独学で経営学を学んだこと。
しかし現実は上手く行かず、借金に苦しんだこと。
借金を返すためにギャンブルに手を出し、余計に金を失ったこと。
最初は聡くんが金を貸してくれていたが、遂に愛想を尽かされたこと。
社員に支払う今月分の給料すら確保できていないこと。
荒々しく、時に罵倒とも取れる言葉を吐き出しながら、全てを話していた。

しまいには完全に酔っ払って暴れ、グラスを投げつけたり、店のものを破壊したりしだしたので、私が店の外に引っ張り出した。






34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/07(日) 23:44:35.53 ID:Qj7oz5vSO
律「なんでだよ!どこで道を間違えたんだ!死んじまえ!金持ちなんてみんな死んじまえ!澪もムギも、死んじまえ!」

真夜中、雪が降っていた。初雪かもしれない。
車一台通らない路上で、震えながら叫ぶりっちゃん。
本心ではないだろう。私にはわかる。
りっちゃんは澪ちゃんもムギちゃんも大好きなはずだから。
ただ、今の自分が惨めで、どうしたらいいかわからなくなってるんだろうな。
だから、どうしようもなく、何かを攻撃したくなって、暴言を吐く。
そうだよね、りっちゃん。

フラついて立てないりっちゃんに肩を貸し、寒空の下を歩きつつ、私は思う。
私も、りっちゃんも、同じだ。
2人とも、人より少し不器用なんだ。
今の自分を否定しつつ、嘲笑いつつ
けど何をしていいかも分からず、結局何もせず
スポットライトの下の華やかな世界を羨みつつ
この薄汚いさびれた街で、泥と汗にまみれて生きている。





37 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/07(日) 23:55:33.18 ID:Qj7oz5vSO
私はりっちゃんを工場まで送り届け、彼女に対して感じた親近感のようなものを噛み締めながら帰途についた。

時刻は夜中の3時を回っていた。
憂はもう眠っている時間だ。起こさないよう、そっと扉を開ける。外よりはいくらか暖かい。私はかじかんだ手をこすり合わせる。

小声で「うい~ただいま~」とだけ言う。
家に帰ってきた時はそれを言わないと落ち着かないのだ。
靴を脱ぎ、とりあえず水を飲もうと、台所に移動する。
そこに、憂はいた。
車椅子に腰掛けたまま、机に突っ伏し眠っている。
あれ?どうしたんだろう?こんな所で…
まさか、私の帰りを待ってたのかな?
なんでだろう?





41 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:10:11.93 ID:/ACfbxVdO
疑問に思う私の目に飛び込んできたのは、机の上に置かれた大きなケーキだった。
ケーキの上にはろうそくが刺さり、プレートにはこう書かれていた。

「お姉ちゃん、お誕生日おめでとう
いつも、ありがとう」

そのメッセージを見て、はっと思い出す。
そうだ、今日は11月27日、私の誕生日じゃないか。自分でも忘れていた。

車椅子では作るのに苦労したであろう、その不格好なケーキと、安らかな寝息を立てる憂の顔を交互に見る。
不意に涙がほろりと零れ落ちる。
暫く私は、暗い台所の片隅で、声を殺して泣き崩れていた。

部屋から毛布を持ってきて憂にかけてあげた後、ろうそくに火を灯し、そしてすぐに吹き消し…真っ暗闇の中でケーキを食べた。
形は不格好だが、味は上々だった。
憂の頭をゆっくりと撫でながら、思う。
私は、生きてく。不格好でも、なんでもいい。憂がいる限り、私は生きていける。
これまでも、これからも ずっと…
雪はしんしんと降り積もり、この街から音をかき消していた。その静けさが、耳に残る夜だった。





45 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:21:17.58 ID:/ACfbxVdO
―12月
東京都 協栄ボクシングジム

「大変だ!秋山の10度目の防衛戦の対戦予定相手が骨折した!」
「なに?2月の試合には間に合うのか?」
「間に合わない!至急、代役を探せ!」

会長「……ちょっと待て」





47 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:22:25.62 ID:/ACfbxVdO
会長「ちょっと秋山、こっちに来てくれ」
澪「なんですか?会長」
会長「今度の対戦相手、お前が決めろ。これが今闘える無名のボクサーのリストだ」
澪「どういう事です?」
会長「まったく無名のボクサーに、対戦機会を与えるんだ。王者に挑戦する機会を与えるんだ」
澪「はぁ…」
会長「考えてもみろ、お前は今、悪魔のような強さで王座に君臨してるが、あまりに強すぎるため完璧で冷徹なイメージがつき始めてる。
そこで、今回、無名選手に夢を与えるこの企画だ。ファンにお前の心の広さを見せつけることになり、イメージアップに繋がる。
お前は楽に勝てるし、人気もますます上がる。どうだ、いい話だろ?」
澪「はぁ…そうですね」(うう…あんまり人気出過ぎると恥ずかしいよぉ)

会長「さ、じゃあさっそく、このリストから相手を選んでくれ。どいつもお前なら30秒もかからずにKOできる奴ばかりだ」
澪「わかりました…」(会長、私をタレントみたいに売り出すの止めてほしいなぁ…)





48 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:24:37.44 ID:/ACfbxVdO
澪「はぁ…めんどくさいなぁ」

澪「こいつも、こいつも、こいつも…聞いたこともないような選手ばっかりだな…
こんなのと闘うのか、やだな」

澪「もうちょっとマシな選手は…と」

澪「…ん?この顔写真」


澪「ま、まさか、唯!?」

澪「あいつ、まだボクサー続けてたんだ、全然知らなかった…」

澪「対戦成績は、26戦して15勝8KOか…
KO率はまあまあだけど、大したことないな」

澪「そうだなぁ…久しぶりに唯にも会いたいし、チャンスを与えるにしても全然知らない奴よりは友達のほうがいい…か」

澪「よし、決めた!」





49 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:34:06.45 ID:/ACfbxVdO
―クリスマス・イブ

2人分のお酒を買って帰ってきた私を待っていたのは、血相を変えた憂だった。
憂「お、お姉ちゃん、大変だよ!」
唯「な~に?憂、そんなに慌てて」
憂「今…家に澪さんのジムの人が来て…」
唯「え?澪ちゃんの?」
憂「それで…あのあの、お姉ちゃんに」
唯「な、なぁに?」
憂「澪さんの防衛戦の相手をつとめてほしいって、打診が来たの!!」
唯「……へ?」

私は、最初憂が何を言っているのかわからなかった。
澪ちゃんは澪ちゃんだよね。現在WBA女子世界フライ級王座を9度防衛中のチャンピオン、秋山澪。
その、記念すべき10度目の防衛の相手が……私?

唯「ええええええええええええっ!?」






51 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:40:07.39 ID:/ACfbxVdO
唯「どどど、どういうことっ!?」
憂「私にもわかんないよ、お姉ちゃん!」

そうだ
そんなこと、あるわけがない。
ボクサーとしての私の名前を知っているのなんて、コア中のコアみたいなボクシングファンの中の、そのまた100人に1人くらいなもんだ。
そんな私が、いきなり澪ちゃんとタイトルマッチ?
出来るわけがない。実現したとして、勝てるわけがない。
私は長い間フリーでジムにも所属せず、まともな練習もしていない。
どう考えたって、大観衆の前で恥をさらすようなものだ。





52 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:41:00.37 ID:/ACfbxVdO
確かに、いつもテレビで見ているあの澪ちゃんと闘ってみたい気持ちはあった。
たとえ負けても入ってくるであろう高額のファイトマネーも魅力だった。
この試合を受ければ、当分の間、憂と贅沢な暮らしができるだろう。

…しかし。
澪ちゃんとの試合ともなれば、憂は確実に見にくる。
私は憂の前で、私の最高のファンの前で、無様に負け恥をさらすことになるだろう。
さいたまスーパーアリーナの大観衆の前で恥をさらすより、そちらのほうが私にとってはよっぽど重大なことだった。
それは、私の中にほんの僅か残った、プロボクサーとしてのプライドだった。
やっぱり…この試合を受けるわけにはいかない。
私は試合を断ることを決意した。





54 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:53:05.68 ID:/ACfbxVdO
しかし、翌日のクリスマスの晩

澪ちゃんのジムに断りの電話を入れようか(ついでに澪ちゃんと久しぶりに少し話したいな)と考えていた私は、テレビを見ておったまげた。
澪ちゃんの緊急記者会見がゴールデンタイムに放送されたのだ。

そこで澪ちゃんは語った。
自分の防衛戦の対戦相手が骨折して試合が間に合わないこと。
そこで、今回は、無名の選手にもチャンスを与えるため、才能のありそうな一人の選手に試合を打診したこと。
澪「試合を打診した相手の名前は…平沢唯、私の高校時代の同級生で、親友です」

おいおいおい
この記者会見、視聴率何%だ
冗談じゃないぞ。





56 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:53:58.65 ID:/ACfbxVdO
その日は大変だった。
あっちこっちの知人から電話がかかってくる。お祝いの電話。
その中には、懐かしいメンバーからの電話もあった。

紬「唯ちゃん!!テレビ見たわよ、タイトルマッチ決まったのね、おめでとう!」

ええ!?まだ決まってないよぉ。

梓「先輩、まだボクシング続けてたんですね!どっちを応援したらいいのかわかんないですけど…とにかく当日は絶対見に行きますから!」

あずにゃん…もう見にくる気まんまんだよ…

和「あなたがボクシングを続けて…こんなところまでいくなんて…うう」

の、和ちゃんが感動して泣いてるよおお。






58 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 00:56:11.88 ID:/ACfbxVdO
どうしよう。
もう、後にはひけなくなってしまった。
やっかいなことに、このタイトルマッチ実現を一番喜んでいるのは他ならぬ憂なのだ。
ここで私がタイトル挑戦をやめれば、憂は心の底から悲しむだろう。そうなれば試合で無様に負けるのと同じことだ。いや、それ以下かもしれない。
私にはもう、澪ちゃんと戦う選択肢しか残されていなかったのだ。

けど、どうする?やるからには善戦したい。
今の私じゃ絶対に無理だ。30秒ともたずにKOされるだろう。

もし、「あの人」がトレーナーになってくれれば。
私は頭の中で、一人の人物を思い浮かべる。
あの人がいれば、多少はマシになるかもしれない。
私は家を飛び出し、とあるボクシングジムを目指して走った。






60 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:03:30.92 ID:/ACfbxVdO
時刻は深夜1:00
クリスマスも終わり、街に恋人達の姿は見当たらない。
誰もいない大通りを疾走し、私はボクシングジムの前に到着した。

「山中ボクシングジム」
小さなジムではあるが、私がプロボクサーになりたてのころ、お世話になっていた所である。
あの人はトレーナーとして二階に住み込んでいるはずだ。私は外の非常階段を上がる。
そして、彼女の部屋の前まで来た時、急に不安にかられた。
あの人が、また私を受け入れてくれるだろうか…?
心に迷いが立ち込め、暫くドアをノック出来ずにいる。
すると、ノックもしていないのに、いきなりドアが開いて、中から一人の女性が出てきた。
驚いて言葉も出ない私に、その人は話しかける。

「あら唯ちゃん、奇遇ね。私もちょうど、あなたの家に行こうと思ってたのよ」

唯「さわちゃん先生…」

数年振りの、師弟の出会いであった。





63 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:07:34.18 ID:/ACfbxVdO
そう、私達軽音部の顧問、山中さわ子先生の実家は、このボクシングジムだったのだ。
さわちゃんはこのジムで、トレーナーとして幾多のボクサーを育ててきた名伯楽だ。

唯「さわちゃん…久しぶり」
さわ子「ここに来たってことは…、受けるのね、澪ちゃんとの試合」
唯「うん…」
さわ子「任せて!私に唯ちゃんのトレーナーとセコンドを務めさせて欲しいの!私が教えれば絶対に澪ちゃんに勝てる!」

私は、さわちゃんの熱意に惹かれながらも、彼女に対してある憤りを感じていた。

唯「さわちゃん…今頃になって、そんな調子のいいこと言うの?
…あの日、私を見捨てて、ジムから追い出したのに…」
さわ子「唯ちゃん…」





65 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:18:12.13 ID:/ACfbxVdO
さわ子「それは、唯ちゃんが、才能はあるのにこれといった努力もせず、自堕落な生活を送っていたから…」

唯「けど、さわちゃんがいてくれたら、ここまでにはならなかったよ…
私だって昔はチャンピオンを夢見てた。
今は私にそんな才能ないって分かる。
けど、昔は確かに夢見てたんだよ。
そんな私がさわちゃんに追い出されて…どれだけ辛かったと思う?」

気がつけば私の両目からは涙が溢れていた。

さわ子「…ごめんね唯ちゃん。
けど、今からでも遅くはない」

唯「嘘だ!」

さわ子「嘘じゃない。唯ちゃんには才能がある。あなたが自分でも気付いていない、チャンピオンを十分に夢みていい才能がね!」

唯「ざわぢゃん……」





66 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:19:12.66 ID:/ACfbxVdO
さわ子「私は才能のない子にはあんなに厳しく当たらないわよ…
あなたが才能を持ちながら何のやる気もないことに腹が立って追い出したの。
けど、今のあなたにはやる気がある。そうでしょ」

唯「うん…ういを喜ばせるんだよ」

さわ子「なら、涙をふいて」

さわちゃんが眼鏡を外す。

さわ子「覚悟しとけよ、コラ」

次の日から、さわちゃんと私の猛特訓が始まった。





67 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:20:42.45 ID:/ACfbxVdO
小さな山中ジムには最低限の設備しか揃っていなかったが、それで十分だった。
さわちゃん指導のもと、がむしゃらな猛特訓に、私は耐えた。

そしてある日、りっちゃんが突然私の家を訪ねてきた。
唯「どうしたの?りっちゃん、まさか工場まで担保に……?」
律「違う違う!澪との対戦が決まったお前に、話があって来たんだ」
唯「話?」
律「ああ、スポンサー契約の話さ」
唯「…スポンサー?」
律「入場の時お前が着るガウンに、『田井中精肉工場』のロゴを入れるのさ。そしたら宣伝になって私の工場が儲かるぜ」
唯「……田井中精肉工場って、なんかださいよぉ」
律「ほっとけ!な?お願い唯ちゃん?タダでとは言わないからさ」
唯「え?何かくれるの?」
律「ああ、サンドバッグをやるぜ」
唯「ほんと!?」
律「ああ、ちょっとついてこいよ」






70 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:22:17.90 ID:/ACfbxVdO
そう言ってりっちゃんが私を連れて行ったのは、あの精肉工場だった。
怪訝に思う私をよそに、りっちゃんは工場の中をどんどん進んでいく。
そして、ある扉の前まで来たりっちゃんは、私を中へ入るよう促した。

肉の匂いが充満している。
それもそのはず、この部屋には、無数の巨大な肉が冷凍されて上から吊されているのだから。

唯「えーっと…どこにサンドバッグが?」
律「これさ!」

りっちゃんは肉を指差す。
こうして、私は自主トレ用サンドバッグも手に入れたのだった。





71 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:23:36.26 ID:/ACfbxVdO
私は毎日、特訓に明け暮れる。
毎朝生卵をミキサーにかけてジュースをつくり、タンパク質を補給。
その後ランニング。
家から、港を通り、近くにある美術館の階段のてっぺんまで、毎朝がむしゃらに走る。

唯「はぁ…はぁ…やっぱり階段を登りきると息が切れる
この程度じゃ息切れしないようにならないと、とてもじゃないけど長いラウンドは戦えないよ…」





73 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:25:10.52 ID:/ACfbxVdO
そしてランニングが終わると、さわちゃんのジムでの猛練習。
さわ子「いい?今から付け焼き刃のテクニックを身につけた所で無駄よ。
中間距離での澪ちゃんのテクニックは完璧…絶対に完封されるわ」
唯「じゃあ、どうすればいいのぉ?」
さわ子「懐に飛び込んで、乱打戦にもっていくのよ、とにかく消耗させるの」
唯「けど、澪ちゃんはフックやアッパーも得意だよ?」
さわ子「大丈夫…恐らく打たれ強さは澪ちゃんより唯ちゃんのが上よ。
それにパンチ力も…これから練習すれば試合の日には澪ちゃんを上回ってるわ」
唯「ええ~、そんなバカなぁ」
さわ子「いいえ、あなたのパンチ…特に左のボディブローは本物よ
当て感もいいし…」
唯「ボディかぁ」
さわ子「そう、ボディから崩すの、相手のスタミナを奪って、疲れさせて勝負をかけるのよ!」





74 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:26:37.40 ID:/ACfbxVdO
過酷なトレーニング、さわちゃんの熱烈な指導。
私は朝の10時から夜の9時まで、その指導を受けながらジムで過ごす。

そして練習が終わりジムを出ると、田井中精肉工場まで一目散に走る。
そこで夜通し、肉を殴り続ける。
手の皮が剥け、感覚が無くなっても、それでも打ち続ける。
鬼気迫る表情でパンチを打ち続ける。





77 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 01:38:54.16 ID:/ACfbxVdO
最初はやるしかないと思って。
他に道はないと思って始めた、トレーニングだったけど。
その為に沢山の人の力を借りて、沢山の人の期待を背負って。
わかったことが一つだけある。
間違いなく今の私は、明確な生きる意味を持って毎日を過ごしている。
そう、あの時のように。
自慢のギー太をかき鳴らし、親友たちと文化祭ライブに燃えた高校時代のように…

もう前までのような、自堕落なチンピラみたいな私じゃないんだ!

もう憂のためだけの試合じゃない。
自分自身を、人生を変えるための試合でもあるんだ。
そう思うことが私のモチベーションを、さらに高めていくのだった。





87 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 03:02:33.88 ID:/ACfbxVdO
試合前日。
調印式で澪ちゃんと私は再会した。
普通なら仲良く話しこむところだが、澪ちゃんは2、3言葉を交わしただけで向こうへ行ってしまった。
記者会見でも、握手の時も、目を合わせようとしない。
すでに戦闘モードに入っているのだろうか。
いや、握手した手が震えていたから、緊張しているのかもしれない。そういうとこは昔から変わらないなぁ。

私は緊張はしていなかったが、勝てる自信はまったく無かった。
やれることはやった。全力でやった。
けどそれで勝てるほど勝負の世界は甘くない。ましてや相手は最強王者だ。
記者会見後、個別インタビューは人気者の澪ちゃんに集中し、私は解放されたので、早めにホテルに戻った。
その日の夜のテレビで記者会見の模様が放送された。
テロップには、「最強王者秋山澪、いよいよ明日10度目の防衛戦!相手は無名の美少女、平沢唯!」と表示されていた。
ちょっと嬉しくてニヤニヤしてしまった。






91 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 03:14:05.09 ID:/ACfbxVdO
そして
私と、同じ部屋に宿泊していた憂は、久しぶりに一緒に眠った。
憂は自分でベッドに入れると言ったが、私は憂を車椅子から抱きかかえ、ベッドまで運んであげた。
窓から見えるさいたま市の近未来的な夜景がロマンチックだ。
夜霧がゆっくりと街を包んでゆく。


冬も終わりにさしかかったとはいえ、まだまだ寒い。
くっつくように、ぴったりと体を寄せ合う。心地よい感触と温もりが、私を安心させる。

憂「お姉ちゃん、どう?明日は、勝てる自信ある?」

憂がストレートに聞いて来たので、私も正直に答える。

唯「ないよぉ、ていうか、勝てるわけないじゃん、普通に考えてさ」

今まで、心の奥にしまっていた弱音だった。





92 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 03:29:59.58 ID:/ACfbxVdO
憂「そうだね…普通に考えたらね」

憂も、そこは肯定する。

憂「けど、お姉ちゃんなら、何かやってくれそうな気もするんだ!」
唯「何かかぁ…何もできないかもしれないよ、ただ…」
憂「ただ?」

唯「明日、勝てなくてもいい、あの澪ちゃん相手に、最終、12Rまで立っていることができたなら、私がただのゴロツキじゃないってことを証明できる。そんな気がする」

憂「うん…」

唯「明日、2月22日は、憂の誕生日だよね。誕生日に勝利をプレゼントする…とまでは言えないけど、絶対に立ってる。
最終Rまで、何があっても、ボロボロになっても、絶対に立ち続けるって誓うよ」

憂「うん…それが、最高のプレゼントだよ、お姉ちゃん」

憂はそう言って笑った。
私はそんな憂を抱きしめ、安らかな眠りにつくのだった。





94 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 03:44:56.03 ID:/ACfbxVdO
―そして

実況「遂にやってまいりました、本日のメイン・イベント!
伝説のKOクイーン、秋山澪が、ここさいたまスーパーアリーナで10度目の防衛戦!
対するはまったくの無名、謎の美少女、平沢唯!
さいたまスーパーアリーナは満員御礼です!」

実況「普通、女子の試合は2分10Rが主流ですが、今回は特別ルールにより3分12Rで行われます!
しかし昨日、澪選手は『12Rもいりません、1Rで倒します』と宣言しました。
このところ3試合連続1RKO防衛を果たしている澪選手、4試合連続が出るかについても注目が集まります!
解説は、長○川穂積さん、○田興毅さんのお二人でお送り致します。よろしくお願いします」

長谷川「よろしくお願いします」
亀田「しゃーオラー!!!」





95 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 03:59:50.22 ID:/ACfbxVdO
「みおー!」
「みおー、結婚してくれー」
「みお、やっちまえーっ」

リングアナ「まずは青コーナーより、挑戦者、平沢唯選手の入場です!」

私の入場曲、ふわふわ時間が、アリーナにこだまする。
緊張は感じない。
さわちゃん先生と肩を組み、ゆっくりと、花道を歩んでいく。
ガウンには田井中精肉工場のロゴ。りっちゃんと私の友情の証。
私の入場だというのに場内は澪コール一色。あらら、完全アウェーだなぁ…

ああ、神様お願い。
3分12R、インターバル入れて40分ちょっと。
その40分の間だけでいいから、私に力を下さい。私にDream Timeを下さい。

リング前で祈りを捧げた後、ロープを跨ぐ。
いつもとは違う、明るい綺麗なリングだった。





98 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 04:19:39.87 ID:/ACfbxVdO
続いて赤コーナーから、「Don't say lazy」に乗って澪ちゃんが登場すると、場内は割れんばかりの大歓声に包まれた。
おお、本当にすごい人気。
けど呑まれることはない。大丈夫。なんだかすごく落ち着いてる。


リングアナ「これよりWBA女子世界フライ級タイトルマッチを行います!
青コーナー、挑戦者、26戦15勝10敗1引き分け、15勝のうち8勝がノックアウト
山中ジム所属
謎の~美少女! ひらさわ~ゆ~い~!!」

名前がコールされると同時に軽くシャドーボクシングをしてみせる。

リングアナ「赤コーナー、27戦全勝、うち22勝がノックアウト
協栄ジム所属
WBA女子世界フライ級王座を9連続防衛中、無敵のチャンピオン
KO~クイーン! あきやま~み~お~!!」

また大歓声、けど澪ちゃんは知らんぷり。
ふふ、恥ずかしがってるか緊張してるかどっちかだろうなぁ。





99 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 04:29:14.14 ID:/ACfbxVdO
さわ子「いいか!お前は虎だ!誰よりも強い虎だ!相手を食ってやれ!お前がこのリングのボスだ!
わかったら行ってこい!」
眼鏡を外したさわちゃんが私に平手打ちをしながら絶叫する。

気合いも入り、リング中央へ。
そこで向かい合って、初めて澪ちゃんが私の目を見た。
思わず誰もが怯むような鋭く冷たい目つき。戦う者の目。
しかし私も負けじと睨み返す。
Eye of the tiger、虎の目だ。気持ちでは絶対に負けない。

そして―

ついに決戦の、ゴングが打ち鳴らされた…





101 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 04:47:05.92 ID:/ACfbxVdO
1R

サウスポーの澪ちゃんは、試合が始まると半身になり、右手を腰の辺りまでダラリと下げて構えた。
澪ちゃん得意の、デトロイト・スタイル。往年の名ボクサー、トーマス・ハーンズを彷彿とさせる構えだ。
この階級にしては非常に恵まれた長身と長いリーチがあってこそ出来る代物である。

私は構わず、乱打戦にもちこむためガードを固めて前に出ようとした…その瞬間
さわちゃんから散々注意されていたのにも関わらず、何が起こったのか理解できないほどのスピードでそれは飛んできた。
アゴに、軽い衝撃。
デトロイト・スタイルから繰り出す、超高速の右ジャブ。いわゆるフリッカー・ジャブだ。
このジャブで掻き乱し、隙をついて一撃必殺の左ストレートを叩き込む。これが澪ちゃんのボクシング。

余裕しゃくしゃくの表情で私を見る澪ちゃん。
絶対に、懐に入られない自信があるのだろう。
ふん、何度でも挑戦してやるさ、もう一回だ!





102 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 04:56:18.54 ID:/ACfbxVdO
澪ちゃんの右腕がムチのようにしなる。
軽快なステップを踏みながら、ジャブ、ジャブ、ジャブ、マシンガンのようなジャブの雨あられ。

私はそれを凌ぎ、見極め、なんとか中へ入ろうとする。
しかし、そこに合わせるように、カウンターの左ストレートが飛んでくる。
間一髪でガードしたものの、右とはうって変わってとんでもなく重いパンチだ。これは食らったらひとたまりもないだろう。
今は耐えるんだ。澪ちゃんは1RKOを狙ってる、私が出てこなければ、このラウンド後半は必ず前に出てくる。
そこを狙うんだ。





104 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:08:54.27 ID:/ACfbxVdO
そして1R、残り1分。
案の定、澪ちゃんは倒しにきた。
ワンツーから入り、返しの右フックをぶち込んできた。
さらに左ボディ、ダブルの左フック、右アッパーと流れるようなコンビネーションが止まらない。
そのうち何発かは被弾してしまった、頭が揺れるのを感じる。
けど右アッパーの後、追撃で打とうとした左ストレートを間一髪交わし、全力で左のボディを叩き込んでやった。
初めてのヒット。私は一瞬だけ、澪ちゃんの表情が苦悶に変わるのを見逃さなかった。
やっぱり…澪ちゃんはいつも相手に触れさせもせず倒すから分からなかっただけで、実はそんなに打たれ強くない。
当てれば効く。
それが分かった私は、ボディに照準を合わせたのだった。





105 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:13:32.16 ID:/ACfbxVdO
実況「運命の1R終了~!
平沢、1R後半の秋山の猛攻を耐えきりました!」

長谷川「意外と平沢選手がいいですね、一発だけですがいいボディを入れてました」

亀田「ああ、あれはええボディやったわ」





憂「お姉ちゃん…頑張って!」





107 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:19:50.05 ID:/ACfbxVdO
実況「2Rが始まってもジャブからのコンビネーションで平沢を翻弄する秋山!さすが王者、一枚上手です!」

長谷川「だけど…」

亀田「ああ、もろとるのはみんなジャブだけや、キツいパンチは全部しっかりガードしとるで
あれじゃ倒せへんわ~」

実況「あっと、平沢、また左ボディを入れた!強烈なボディです」

実況「手数とスピードの秋山、一発の平沢といったところでしょうか」

実況「また左のボディが決まった~」

長谷川「ナイスボディ!」

実況「無名のチャレンジャー平沢、王者を相手に意外な善戦です」





108 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:29:47.96 ID:/ACfbxVdO
実況「3Rも手数では圧倒する秋山ですが、要所要所でヒットする平沢の強烈なボディブロー!」

長谷川「これ絶対後半効いてきますよ」

亀田「しゃーオラ行けオラー!」


実況「さらに右の大振りのフックも繰り出す平沢!
秋山も勢いに負けて攻めあぐねています」


実況「4Rが始まっ…おーっと、秋山が仕掛けた!」

長谷川「秋山選手もリズムが上がってきましたねえ」

亀田「早よ倒さなこりゃヤバい思たんちゃうか」





109 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:44:37.01 ID:/ACfbxVdO
わかっていた。
4R最初の澪ちゃんのラッシュは、左ボディが効いて、嫌がっている証拠だということを。

だから私は待つ。顔面だけは絶対に守りつつ、ボディを根性で耐えて、待つ。
一番威力が高いけど一番隙も大きい左ストレートを。
そら、来た。焦りすぎだよ澪ちゃん。全部さわちゃんの言った通りだ。
私はストレートをかわし、カウンターで左のボディを叩き込む。
うっ、とくぐもった声が、澪ちゃんの口から漏れる。今までとは違う、あからさまな苦悶の表情。
私が続けて右を打とうとした時、澪ちゃんは反射的にボディを庇った。
けどそれはやっちゃいけないよ、澪ちゃん。澪ちゃんのアゴを狙い、思いっきり右フックをぶん回す。
確かに右拳に手応え。ヒットした感触。

澪ちゃんは膝から崩れ落ちていた。





111 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 05:51:57.61 ID:/ACfbxVdO
実況「な…なんということでしょう…
平沢の右フック一閃!秋山、ボクシング人生で、初めてのダウーン!」

実況「なんとか8カウントで立ち上がった秋山ですが…足がフラついている!目も虚ろです!」

実況「平沢猛攻~っ!左右のフックを振り回す!危ない危ない秋山危ない!必死でクリンチ、凌ぎます!」

実況「ここで4R終了~っ!秋山ゴングに救われた!
大番狂わせ!場内騒然!このラウンド、無名の平沢唯が、無敵の秋山澪からなんとダウンを奪っています!」





113 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 06:15:17.89 ID:/ACfbxVdO
5R
澪ちゃんが豹変した。インターバルの間にダメージが回復したのだろう。
怒涛のラッシュを仕掛けてきた。
しかし、今までのラッシュとは違う。
頭から突っ込み、フックを振り回し、ボディを叩き込み、アッパーを突き上げる、がむしゃらな接近戦用のラッシュだ。
デトロイト・スタイルも封印したのか、普通の構えになっている。
これは、澪ちゃんのプライドだろう。
王者は打ち合っても強いと示したいのだ。
向こうのセコンドが落ち着いて攻めろと叫んでいるが、聞いちゃいない。
普段クレバーな澪ちゃんも、生涯初ダウンをとられて完全に熱くなってしまった。
私も燃えてきた。
これは私の望んだ展開だ。
小細工なし、真っ向勝負の殴り合いで勝負をつけようじゃないか。





114 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 06:25:54.37 ID:/ACfbxVdO
実況「殴り合い、殴り合い、殴り合い!
なんということでしょう、普段のクレバーなスタイルを捨て去ったかのような秋山の捨て身の猛攻!それに一歩も引かず応える平沢!」

実況「平沢の右が当たったー!しかし秋山もカウンターを当てる!
肉を切らせて骨を断つような…壮絶な殴り合いが既に4Rに渡って続いています!
まさに両者の意地と意地のぶつかり合い!」
実況「この第8Rは、秋山のほうが有効打は多いでしょうか
しかし打たれても打たれても倒れず振り回す平沢、驚くほどのスタミナと打たれ強さ、そして根性です!」

亀田「いや~あいつ、ええ根性しとるわ~!亀田家に入れたろかいな~」





115 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 06:40:15.73 ID:/ACfbxVdO
実況「平沢の右が当たる~!秋山、瞼を切ったか、出血が見られます!」

実況「秋山の右も決まった!あっと平沢も出血、平沢も出血!
世紀の大流血戦です!」


実況「ここでゴーング!
第10R 終了~っ!
なんという珍しい光景でしょう
今まで傷一つついたことのない秋山の綺麗な顔が…腫れ上がって変形し、鮮血にまみれています!
しかし対する平沢の顔ももはや原型を留めていない!凄まじい闘いです!」





118 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 06:50:58.16 ID:/ACfbxVdO
右目が腫れて、開かなくなっていた。
左目は、物が二重に見える状態(いわゆるダブルビジョン)だった
だけど、意識はしっかりしていた。
アドレナリンが出ているのか、痛みも麻痺していた。

きっと試合が終わったら、死ぬほど痛いだろうなぁ。
そんなことを考える。

11R目のゴングが鳴った。
澪ちゃんと私は、ほぼ同時に飛び込んだ。
交錯する二人の拳
アゴに、腹に、何度も何度も、衝撃。
それでも歯を食いしばり、打ち返す。絶対に引かない。引いてたまるもんか。
しかし、右目が塞がっていたせいか、私には見えなかった。
それまで他のパンチは貰っても、これだけは貰わないようにしてきた左のストレートを、澪ちゃんがカウンターで打ち込んできたのが。





120 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:01:27.18 ID:/ACfbxVdO
憂「お姉ちゃん!!」


アゴに、凄まじい衝撃。
脳がぐらりと揺れ、視界が暗転し、足が自分の意思とは無関係にぐにゃりと力を抜くのがわかる。

実況「平沢、ダウーン!秋山の左ストレートがついに炸裂ーっ!万事休すか?」

前のめりに倒れていた。何が起きているんだ?ほんの数秒前のことが、よく思い出せない。

「ワン、ツー」

レフェリーがカウントを数える声が聞こえる
そうか、ダウンしたのか、私
「唯ちゃん、もう立たないで、もう無理よ!」
さわちゃんが涙声で叫ぶのが聞こえる。
そうか、もう無理なのか、やっぱり私には、無理なのか…





121 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:11:23.97 ID:/ACfbxVdO
諦めかけた私の脳内に、昨日憂に向かって言った自分の言葉が蘇える。

「明日、勝てなくてもいい、あの澪ちゃん相手に、最終、12Rまで立っていることができたなら、私がただのゴロツキじゃないってことを証明できる。そんな気がする」

「最終Rまで、何があっても、ボロボロになっても、絶対に立ち続けるって誓うよ」

そうだ、私は誓った。
憂に誓ったんだ。

「スリー、フォー」

立て、平沢唯。憂のため、そして自分を変えるために。





124 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:19:27.24 ID:/ACfbxVdO
さわ子「!! だめよ!もういいのよ唯ちゃん!」

律「唯…お前、すげえよ…」

紬「唯ちゃん…」

梓「唯先輩…」

和「唯…」

澪「はぁ、はぁ…うそだろ?」



憂「うう、お姉ちゃああん…」

実況「なんということだ、なんということダアーッ!
秋山の左ストレートをカウンターで食らって、なお、立ち上がったあ!
こんなことは初めてです!なんという選手だ!平沢唯!」





125 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:27:45.00 ID:/ACfbxVdO
客「おい…あいつ、凄くないか?」
客「ああ、澪ちゃんを応援しに来たけど、あいつを応援したくなっちまったよ…」



客「平沢ーっ!頑張れよ!」
客「いいぞ、平沢最高!」
客「唯ちゃ~ん!」

ゆーいっ!ゆーいっ!ゆーいっ!ゆーいっ!


実況「なんと、今まで澪コール一色だった客席から、まさかの唯コール!
平沢、観客まで味方につけました!
スーパーアリーナの大観衆の心を動かしました!」





126 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:39:06.05 ID:/ACfbxVdO
実況「11R終了ーっ!
息も絶え絶えの両者、勝負は遂に最終ラウンドへもつれ込みました!」

唯「さわちゃ…なんで、なくの?」
さわ子「感動してるのよ…あのダウンから立ち上がった時は鳥肌が立ったわ
あなたの執念に乾杯よ」
唯「そか…さいごまで、がんばる」
さわ子「ええ…」

憂「最後のラウンドだよ…」

憂「お姉ちゃん!やっちゃえーっ!!」





127 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:50:21.11 ID:/ACfbxVdO
実況「いざ決着の時、最終R、運命のゴング打ち鳴らされた…二人とも飛び込んだーっ!
両者のフックが相打ちだ!
しかし二人とも手を休めない!
意地と意地、執念と執念のぶつけ合い!」

実況「平沢の右フックが当たる!秋山首を振って効いていないというアピールです」

実況「秋山の右!しかし今度は平沢が効いていないとアピールだ!」

実況「あー、しかし秋山の左ストレート炸裂ーっ!吹っ飛んだ平沢!
それでも倒れません!踏みとどまります!」






129 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 07:58:01.42 ID:/ACfbxVdO
実況「両者、リングの中央、ノーガード!ボクシングというよりこれはもう喧嘩!ど突き合いだ!
鮮血にまみれ、フラフラになりながらも、最後まで絶対に手は止めない!あと30秒!」

実況「負けられない!どちらもそう思っている!」

実況「倒してやる!どちらもそう思っている!あと15秒!」

実況「引かない、下がらない、殴り続ける!最後まで…
最後までどちらも引きませんでした、今試合終了のゴーング!!」






132 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 08:10:41.16 ID:/ACfbxVdO
実況「さいたまスーパーアリーナは総立ち!
無名のチャレンジャー平沢唯、最強のチャンピオン秋山澪を相手に
12ラウンド闘い抜きました、本当に歴史に残る名勝負でした!」




判定結果が出るまで、随分時間がかかった。
それほどいい勝負をしていたのだろうか?
けど、私にはそんなことどうでもよかった。判定なんて聞いちゃいなかった。

ずっと…憂のことを考えていたのだから。





133 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 08:23:38.49 ID:/ACfbxVdO
「…以上、3対0の判定をもちまして、勝者、WBA女子世界フライ級…
チャンピオン!あきやま~み~お~!!」

リングアナが勝者の名前を告げた瞬間、リングに人がなだれ込んでくる。
マイクを向けるインタビュアー、焚かれる無数のフラッシュ。
その標的は、チャンピオン秋山澪ではなく、私だった。

「歴史に残る名勝負でした!」
「今の気分は?」

唯「ういー!ういー!」

インタビュアーが投げかける質問には見向きもせず、私はただただ愛する妹の名を呼んでいた。





134 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 08:29:35.33 ID:/ACfbxVdO
唯コールが巻き起こるスーパーアリーナ、沸きあがるファンの間をすり抜けて、見覚えのある車椅子がやって来るのが見えた。
その車椅子に乗った人物もまた、涙を流しながら狂ったように叫び続けていた。
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」


「ういー!」
「お姉ちゃん!」
「ういー!」
「お姉ちゃん!」

両者の距離が近づいていく。

…そして

「うい…」
「お姉ちゃん…」

私と憂は互いの存在を確かめ合うかのように、熱い抱擁を交わすのであった



おわり。






138 :1 ◆aHhq9lSaWM :2010/03/08(月) 08:41:06.72 ID:/ACfbxVdO
徹夜で書いたのですごい眠いです…
もうさすがに寝ます…

また2書くかもしれません

あとモバゲーにもこれ載せるかもしれないのでまた見たい人は見に来て下さい
…ってそんなことしなくてもまとめブログとかに載るのかな?
とりあえずお休みなさい







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[ 2010/04/27 20:00 ] クロスSS | TB(0) | CM(12) | このエントリーを含むはてなブックマーク


ヘイヘイヘイ、ちょっと待った
俺はこれを見た覚えがあるんだが気のせいかね?
[ 2010/04/27 22:33 ] [ 編集 ]


面白かった 乙!
[ 2010/04/28 00:34 ] [ 編集 ]


なんだよ
最後の最後でモバゲーの宣伝とかwww
一気に萎えたわ
[ 2010/04/28 09:53 ] [ 編集 ]


これがミリオンダラーベイビーだったら許さない所だった。
[ 2010/04/28 20:20 ] [ 編集 ]


病院にて……
澪「あんたのは運に支えられた奇跡だ! ここで勝負を付けてやる!」
律「やめなって!」
唯「私はもう引退……」
澪「チャンスを与えてやったのに逃げる気か! 逃げるなっ!!」

となるんでしょうか?
[ 2010/04/28 21:37 ] [ 編集 ]


このまま続けば3でさわちゃんが4で澪ちゃんが死ぬんですねw
[ 2010/04/28 22:02 ] [ 編集 ]


やべ、普通におもしろい
[ 2010/04/29 03:11 ] [ 編集 ]


クラバー・ラング役は、ドラゴ役は誰がやるんだろう? 
けいおんには悪役らしい悪役がいないし……
[ 2010/04/29 14:41 ] [ 編集 ]


超おもしろかったです
[ 2010/05/01 16:35 ] [ 編集 ]


はじめまして!
ブログランキングから訪問しています。
いろんなブログを応援させていただいています。
お互い頑張りましょう!
応援ぽち!
[ 2010/05/06 20:48 ] [ 編集 ]


ロッキー世代の俺にこんなの読ませたら目から汗が出ちゃうだろが…。
[ 2010/06/04 23:18 ] [ 編集 ]


ロッキーとけいおん両方好きだから鳥肌たちまくりんぐ
[ 2011/02/27 13:35 ] [ 編集 ]
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プロフィール

yamisoku

Author:yamisoku
けいおん系SSばっかりです。


ひさびさに左上更新してみましたw


とはいえ特に書く事もありませんが(笑)


このブログも開設から1年以上経過するんですね…


とりあえず「けいおん!!」のアニメが終わるまでは頑張って更新し続けたいと思います
2010年7月24日


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