闇速

けいおん!系SSを中心に、2ちゃんねるからSSスレを独断と偏見でまとめてます。
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唯「寄せ集めだよ」 

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 13:39:17.58 ID:/eGV9b4y0

憂「中二の夏」



どんなきっかけだったかよく覚えていない。そのとき何があってそうなったのか。その状況の何が純をそうさせたのか。

わからない。


「私は憂とそんな友情ごっこがしたいんじゃないんだよ」


純がそう言う前のことを私は覚えていない。
だってそう言う以前の私らの関係はもう消え去ってしまったのだから。



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 13:48:05.06 ID:/eGV9b4y0

「私は憂とそんな友情ごっこがしたいんじゃないんだよ」


純がそう言う前のことを私は覚えていない。
だってそう言う以前の私らの関係はもう消え去ってしまったのだから。



いつになく低い声だった。
私は聞こえなかったふりをして「え?」と頭(かぶり)を振った。

腕を掴まれた。
それから引き寄せられた。

多分それは一瞬のことだったのだろうけど、私にはやけにゆっくりした動作に思えた。
スローモーションで私は後ろからから純の胸に倒れた。
ぴたりとくっついた背中に、温かい氷のような感触が走った。心臓がゾクッと鳴った。






3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 13:51:50.46 ID:/eGV9b4y0
きつく抱かれたかと思うと、その息苦しさは一瞬に去り、私はもっと精神的な意味で息苦しさを感じなければならなくなった。

――純の手がいやらしく私の身体をまさぐった。



私は何もしなかった。身じろぎさえしなかった。
驚いてはいたのだ。それこそ、失神しそうな程に。

だけどそれよりも。

ぼやけた意識の中で自分でも信じられないようなことをはっきりと思った。



『このまま』

『放っておいたら純ちゃんは何をするんだろう? 私は何をされるんだろう?

 ちょっと興味があるなあ』






4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 13:57:25.41 ID:/eGV9b4y0
私はそれが無事に為されるために、より上手く事を運ぶために、弱々しく抵抗した。

「やだぁっ」

小さく呟いて軽く純の手を摘んだ。

案の定、純は構いもせず、逆に何かに促されるように行為を速めた。
何かに取り憑かれたように。

ずんずんと、近付いてくる。吐息が聞こえる。
私は動かない。


そしてとうとう──予想はしていたけれど、びっくりするようなところまで手が行き着いた。
私は再度純の正気を疑った。
けれど。


「うあ、純ちゃん、いや、」






6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:01:02.44 ID:/eGV9b4y0
その声はごく自然だったと思う。実際、自然に出た声だった。
私はきっと純に触られるのは気持悪いだろうと思っていたのだ。しかし予想外に気持良くて驚いた。

嬉しかった。


自分が冷静なのかそうでないのかよくわからないまま、私は快感に身を任せた。

あの子が、あの純がこんな。

私の後ろで、私へのいやらしい行為に没頭する純の顔を想像すると興奮した。
いつもの純の顔と比べて、もっと興奮した。

振り向いて見てやろうと思ったけど我慢した。
どちらにしろ私はすぐにそちらを向かされた。


痛いことをされるのは嫌だった。だからその前にはやめるつもりだった。

でも私はとても興奮していて、それで興味を持ってしまった。
正気を疑うような行為を一生懸命続ける純を、私は正気で見て、そしてそれを手伝っていた。






7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:06:53.21 ID:/eGV9b4y0
「だめ、純ちゃん……だめだよう」

「ダメじゃない、憂、好き、好きなの……っ」

脱ぎ散らかる衣服の上に私を押しつけ、純は何度も囁いた。
彼女にはいれるものもないのに、指しかないのに、純は私を貫いた。
その先などないのに。


他には誰もいない彼女の家で、私は純に抱かれた。






8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:10:53.52 ID:/eGV9b4y0
「純ちゃんのばか…」

腰を押さえながら、目に薄く涙を湛えながら、私は純を睨んだ。

「ゴメン、つい」

嘘泣きじゃない。下半身が痛いのは本当だった。
こんなことになった原因の純が憎いのも本当だった。

まあ十中八九私のせいでもあるのだけれど。



純に対しては、憎いというより軽蔑の念が強かった。
女である純が、女の私にあんなことをするなんて、全く頭のおかしいことだ。

積極的に抱かれた自分のことは棚に上げ、私は心の中で毒付いた。







10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:13:42.27 ID:/eGV9b4y0
その顔を見てか、純がまた謝った。

「本当にゴメンって」

告白してきた時とは全然違う情けない顔に思わず笑みが溢れた。
私は笑いながら言った。

「いいよ、もう…」

「でも、つらかった、よね?」

「うーん、まあ」

「う~~」

どう考えても同意の上の行為だったのに、何故謝るんだろう。






11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:16:21.06 ID:/eGV9b4y0
私はまた笑った。

可笑しさと、
そして、彼女を安心させて、またあの行為を受けるために。


「憂……もういっかい、だめ?」

「純ちゃん~……」

「だ、だめかな」

「どう、でしょう? 当ててみて」


こんな気持ちは愛しさとは違う。似ても似つかない。

彼女を軽蔑していてそれでまた私はあの行為を求めているのだ。
本当に軽蔑すべきなのは私自身なのかも知れない。
それでも、私は。

いや、私は意味のわからない思慕の情など抱いているわけじゃない。






12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:19:25.65 ID:/eGV9b4y0

快楽だけを求めてる。のと、同じ女である純なんかを好いているの。
どっちがおかしいだろう。



(私は前者だ)


だから騙して嘲笑ってやる。
私は異常なんんかじゃない。これは演技だ。
目的のない、演技だ。


そうでなければ、私は






終わり






13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:24:02.75 ID:/eGV9b4y0
唯「>>1先生の次回作にご期待できない」





唯「うーいー、アニメー。夕飯どきはやっぱアニメだね!」
憂「はいはい、いまテレビつけるからね」ポチッ、ブォン






15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:26:16.29 ID:/eGV9b4y0
○登場人物紹介○

唯…梓がだーい好き
澪…唯のことが大好き。基本は真面目
梓…密かに澪に恋心を抱いている
純…梓に片想いするも実りそうにない可哀想なモップ
和…特に意味はないがレギュラーメンバー。通称わ
ムギ…特に意味は(以下略)ムギを狙ってる
憂…エキストラ。唯とはとある関係(姉妹←ネタバレ)


なんかしらないけどみんな一緒の場所にいるふしぎ






16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:28:16.48 ID:/eGV9b4y0
(澪の視点でお伝えします)


私は唯が好きだった。一年の頃からずっと、ずっと。

なのに。



「あーずにゃん!!」

梓に抱きつく唯を私は横目でちらと見た。
ギュッと。いつもひょろひょろの腕が、彼女を抱き締める時にはあんなに強く強く。

──イライラする。本当に。






18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:31:14.72 ID:/eGV9b4y0
「うわ、やめてください唯先輩!」

梓が私のほうを見て少し困ったような顔をしながら唯をゆるく振りほどく。

梓のことは嫌いじゃない。むしろ好きなほうだ。こんなことでもなければかわいい後輩だったと思う。

でも、たまにすごく憎くなる。
毎日写真にヒゲを描いて切り刻んでも憎しみが消えないくらい。

あの困ったような顔。私の唯に対する気持ちを知っているからか。
だから、自分が唯に好かれて済まないってことか。
なんて憎い泥棒猫だろう。

あの腕の中にいるのは梓じゃなくて私のはずなのに。





22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:34:19.50 ID:/eGV9b4y0

「何険しい顔してるの~?」

「! ムギか」

突然ムギが後ろから寄りかかってきた。
こいつはいつも突然だ。気配がない。だから私は心の中でマユ忍と呼んでいる。

「なんかあったの?」

「……なにも。のいてくれ。動けない」

うふふ、と笑って私に絡んでくるムギ。見境なしにこーゆーことをする。
こいつは女になら誰にでもそうなんだ。
まあ、ある意味、付き合い易いといえば付き合い易い。






24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:38:12.77 ID:/eGV9b4y0

「冷たいわね、澪ちゃんは……あ! 和ちゃん!
 今日もステキなグラスイズね!」

ムギは和を発見して走って行った。意外と忙しい奴だ。


「…………」

私は密かに唯に視線を送る。
さっきのムギとのやりとりを見て、唯は何か反応をしてくれただろうか。そんな期待をして。


「うわっそれ放禁~!」

……唯は、いつもどおり憂ちゃんとエロ話をしていた。

「憂ってば、いやいやいくらなんでもそりゃ鬼畜でしょーっ」
「おねえちゃんてば、またカマトトだー!」

……楽しそうだ。






25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:40:54.77 ID:/eGV9b4y0
「ですよねっ澪先輩!」

「私か!!?」

突如憂ちゃんから話を振られて私は戸惑った。
ついおかしな反応をしてしまう。

「何ビビってんですか? さてはムッツリ? ムッツリなんですか?」

「ア……アホか!」

憂ちゃんの奴、唯の前で何てこと言うんだ。
大体私はムッツリどころかピュッアピュアーなおとめだというのに。

「あれーつれないなー澪さん」

憂ちゃんはブーブー言うけれど。
唯の前でそんな話題に参加するわけにはいかない。恥ずかしすぎる。
唯をアレとかこれとかグフフッフしたいなんて、言えるわけないだろ!






26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:43:32.83 ID:/eGV9b4y0

「じゃあさ、梓ちゃんは?」

「えっ」

憂ちゃんに言われ、泥棒猫梓、いや、恋泥棒梓、むしろ泥棒梓、は驚いた声を出した。
そしてこっちをちらりと見る。

何だよ。

……あ、もしかして。


私は嫌な予感に襲われた。

梓を見ながら、にやにや笑う唯。
下を向きつつ遠慮がちにこちらを見る梓。

これはもしかして。






28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:47:46.67 ID:/eGV9b4y0
「……チクショウ、梓のやろう……っ」

そうか。

唯と梓は既にそーゆー関係ってことか。
それで梓野郎は、私が唯を好きなのを知っていて、私に気を遣っているってことか!



私は怒りと悲しみに奮えながら廊下に思い切り飛び出した。




梓……中野梓……、あずにゃんにゃん……絶対許さんッ!!!






29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:49:58.38 ID:/eGV9b4y0

つづく...See you NEXT !!






30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:53:30.01 ID:/eGV9b4y0
☆次回予告

君とはいつでもいっしょ。そう5歳のとき誓った純と斎藤。
しかし二人は長い歳月を経て恋のライバルへと変わってゆく。
ムギを巡りシレツな闘いを繰り広げる二人。
しかしムギはムギが大好きだった。

次回、脇キャラが大活躍の156分「世界魚人大戦マーメイド純」をお楽しみに。






31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:54:00.74 ID:ikFV7qCfO
また次の話かのぅ






32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 14:58:46.99 ID:/eGV9b4y0
>>31
今度は続きます


○登場人物紹介○

唯…笑わないセールスマン。趣味は不倫。奥様キラー
澪…唯を偏愛する炎のチャレンジャー。鮮魚売り場で働いている
梓…スイーツ(笑)な箱入り奥様。セールスに来た唯を袖を捲って誘惑するが蹴られた
純…澪のペットのイルカ。餌を貰うと「キュウーン」と鳴く
ムギ…出番なし。ムギを飼っている
和…出番(ry
憂…で(ry




※前回までのあらすじ

ある日カワイイ宇宙生物澪を拾った女子中学生、唯。
その日から唯のドタバタ子育てLIFEが始まる。
切なく甘いハートフルラブバイオレンス!

唯は澪を守れるか!?






33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:02:02.97 ID:/eGV9b4y0

(G……もとい梓の視点でお伝えします)





澪先輩は、どこかへ行ってしまった。


私には何故だかわからなかった。
追いかけたい。
そう思ったけど、なんと言って追い掛ければいいのかわからないし、勇気が出ない。






35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:05:16.68 ID:/eGV9b4y0

「澪ちゃん、どーしたんだろ?」

唯先輩が相変わらずに寄りかかりながら呑気な声で言う。

やたら馴れ馴れしい彼女に、最初は戸惑ったものだ。
しかし、それにもいつしか慣れ、今ではひっつかれてもあまり何も感じないのだけど、やっぱり澪先輩の前だと正直困る。

澪先輩が私のことなど気にしていないのはまあ、わかる。
それでも澪先輩の前で唯先輩とベタベタするのは、やっぱりあまりしたいことじゃない。


「ちょっとトイレットに行って来ます」

唯先輩をひっぺがしてドアのほうに向かった。
唯先輩は一緒に行くと言ったけれど、適当に巻いた。

一緒に来てもらうわけにはいかなかった。

何故なら行き先はトイレじゃなく澪先輩のところだったから。






36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:09:06.68 ID:/eGV9b4y0
「いない、な……」

辺りの廊下を一通りウロウロしてちょっと疲れかけてきたその時。


「~純……~」


澪先輩の声が聞こえた。
純も、いるらしい。


「澪先輩は、唯先輩が好きなんですよね」

───え?






37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:12:50.34 ID:/eGV9b4y0
「ああ」


澪先輩の、声。


嘘だ……そんな。澪先輩が、えっ、唯先輩、えっ、を好き?
え、他の人じゃなくて? よりによってあの唯でんぱい、じゃねえ、唯先輩が?
そんなこと……っ。


「唯に触れられている梓泥棒を見ると……憎い。憎くてどうしようもない。
 あの触覚をみりみり引きちぎりたいくらいだよ」


澪先輩の震える声が、頭の中でぐるぐる回る。
私が憎い。それが彼女の本心。

えっ、泥棒とか言ってた?
いや、でも、まあそこはスルーしよう。






40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:16:50.72 ID:/eGV9b4y0
ああっ、私は澪先輩のことがこんなにも好きだというのに!


心配ないです。私が好きなのはあなたです。平沢唯なんて、そこのけそこのけです。
そう言いたかった。
怠惰な唯先輩なんかとは、なんでもないんです。

でも、私が怠惰かつ馴れ馴れしい唯先輩に抱きつかれているのは事実で、
それに澪先輩はの気持ちなんてどうでもいいんだ。

私が誰を好きだろうと、怠惰先輩と仲良くしていることが憎いんだから。

澪先輩は脳天気唯先輩のことが好きなんだ。

怠惰で馴れ馴れしくて脳天気な唯先輩なんかのことが。






41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:20:08.53 ID:/eGV9b4y0

「……まあ私もわかります」

純の声だ。


八当たりだとわかっていても、私は
「何故澪先輩は平沢進、いや唯、なんかがいいのか!?」
「何故さおだけ屋は潰れないのか!?」
という思いを抱かずにはいられなかった。

ちなみにさおだけ屋が潰れない理由は憂いわく「棒屋だからさ」だそうだ。


二人はすぐ側で立ち聞きをしている私にはなぜか全く気付かず、話を続けていた。


「けど純ちゃんは、なんでそんなことを私に訊くんだ?」

「それは、私も奴らを引き離したいからです」

「……ああ、そういうことか」






42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:23:52.60 ID:/eGV9b4y0
何がそういうことなのか、何故純が私と唯コノヤロウの仲を邪魔したいのか、わからない。

でもそんなことはどうでもよかった。純とかマジでどうでもいい。
だってモブに毛が生えただけだし。あ、つまりモップ?
それより何より、澪先輩の気持ちが、悲しかった。


「だから、私たちは仲間です」

「仲間?」

「なんかあったら協力するってことですよ」

「協力……か」


少しの沈黙の後、澪先輩のフッと笑うような声が聞こえた。


「そうだな、純ちゃんが役に立つかはわからないけど」

「何だそれ失礼ですねっ」






43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:27:00.08 ID:/eGV9b4y0
笑う二人の影で、私の心は俄然沈んでいた。
参院選後の菅直人と同じくらい。


私はどうすればいいんだろう。




私の澪先輩への気持ちは、行き場を失くした迷子のように、
校庭にある無数の憂ホールの中に、ガシャアンと落ちた。







つづく...See you NEXT !!






44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:30:16.07 ID:/eGV9b4y0
☆次回予告

哀しみの梓! その怒りは律にぶつけられる!?
そんなとき、唯がベスト工作員賞で最多部門賞を獲る。
お祝いパーチーで起きたムギとムギのロマンスにもご注目。

次回、「パペットマペットの黒子は斎藤」
おまけ短編「和ちゃんの日常」もあるよ。


ではまた来週!!






46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:33:27.52 ID:/eGV9b4y0


憂「あ、この前の変なアニメ、視聴率3%かあ……こりゃ終わるね」
唯「でもまだ二回しかやってないよねー?」
憂「いまのテレビ業界は厳しいんだよ……」






47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:36:36.82 ID:/eGV9b4y0
○登場人物紹介○

唯→サルミアッキ大好き
澪→生命保険オタク
梓→ファシスト
純→競馬で生計を立てている
和→鉛筆
ムギ→眉毛萌え
憂→全長27センチ






※前回までのあらすじ

ある学校で色々なことが起きています。






48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:40:25.72 ID:/eGV9b4y0
(純の視点でお伝えします)




女同士のシュミなんてなかった。いや、今だってない。
あるのは梓のことが好きだという気持ちだけ。

別にこうなったことを悔やんではいない。

まあ、少しもと言ったら嘘になるけれど。






50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:42:24.14 ID:/eGV9b4y0
最初私たちはごく普通の友達だった。
いや、今でも関係上は友達だ。ただ私の心の中でだけ、何か違うというだけで。

でも、イイ奴だな、とかいうよりは、可愛いなぁ…みたいな感情が芽生えてきてしまって。

段々、『普通』じゃないってことを自覚せざるを得なかった。


笑った顔見たときの動悸とか、触れた手の痺れる感覚とか、不意に抱き締めたくなる衝動とか。


ある日梓を汚す夢を見て、それからまともに顔を合わせられなくなった。
近くにいられない、と思った。あずにゃんペロペロ






51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:44:54.60 ID:/eGV9b4y0
「というか、純ちゃんは【泥棒猫】梓を絶対に許さない【生意気】のどこがいいんだ?」

澪先輩に聞かれ、私は口を尖らせた。

「いや、そっちの趣味のがどうなんですか」

だって梓は可愛いじゃないかペロペロ

唯先輩のどこが良いのかなんて、私にはさっぱりわからない。
確かにギター弾いてるときはかっこいいけど、一度家に行ったときなんかはひどかった。
「アイス」しか言わない。
憂がかわいそうだ。穴を掘る気持ちもわかる。

「それを言うな。唯は……唯タンは……、良いところもたくさんあるんだ」

澪先輩は、一応自分がオカシイ趣味をしてるということを自覚しているらしい。





52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:48:48.05 ID:/eGV9b4y0

「好きになったものは仕方ないだろ」

「まあ、そうですねペロペロ」

私はペロペロとため息を吐いた。

「だけどなー」

どうやって二人の仲を引き裂けってんだ。

なりふり構わず、と言いたいところだが、そうもいかない。
それによって自分が嫌われては意味がない。
実際ドラマみたいに巧妙にやるのは難しいことだ。

「難しそうですよね。唯先輩ってああ見えて隙ないですし」

そりゃ私だって今まで、唯先輩に絡まれる梓を目の前に何もしなかったわけじゃない。
一応それとなく阻止しようと努めてきたんだ。あ、あと、あずにゃんペロペロをしようともした。

が、唯先輩は。






54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:52:39.85 ID:/eGV9b4y0
澪先輩はううむ、と唸って、それから言った。

「……何だ、もうアレだ、純ちゃん、お前【G】梓アンチスレpart3463892【マジでG】を寝取ったらいいじゃないか」

「はあ!?」

一体何を言い出すんだこの人は。

「そうすれば二人の仲にはヒビが入るし、【梓】セカンドギターのくせに!【ゆるさない】の裏切りに傷付いた唯を、私が優しく慰めればうまくいくだろ。
 私は手を汚さないし。すごくいいな」

「…………」

呆れて声も出ない私に澪先輩は続けた。

「無茶だと思うかも知れないが、これは実際いい手段だぞ。恐らく梓自演乙が純ちゃんに振り向くことはない。
 だから一度だけでも想いを遂げて、私の役にも立って…一石二鳥じゃないか」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 15:57:05.60 ID:/eGV9b4y0

「ひどいこと言うなあ……。澪先輩ってそーゆー人だったんですね」

「知らなかった?」


私はため息を吐いた。

澪先輩の言ったことは酷いには酷いが、それはまあ事実なわけで。
それだからか、怒りはなかった。
ふっと虚しさが過っただけだ。

梓は私のことなんて別にどうとも思っちゃいない。
ただのクラスメート。友達と思っていればいいけど。ペロペロペロペロ






56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:01:01.85 ID:/eGV9b4y0

「まあ、そうかも」

「ん?」

「それ、寝取るっての、気が向いたらしてあげますよ」

勿論あなたのためじゃないですよ。
そう言って笑った。


できるもんならめちゃめちゃにペロペロして嫌われてやる。

どうせできやしない。けれど。





つづく...See you NEXT !!






57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:03:37.74 ID:/eGV9b4y0
☆次回予告


決勝戦に向けクイックBを習得した憂。一方、純も個人25M自由形で全国大会へと駒を進める。
それぞれ違う場所で頑張る二人を応援する澪。そんなとき、俺が純にモーションをかける。
揺れる澪。

そこに唯が……?


次回、「ムギがいないと眠れない和」お楽しみに。






58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:09:35.07 ID:/eGV9b4y0
○登場人物紹介○

唯→高校三年生の女の子
澪→唯の彼女。ごく普通の女子高生だったが、体を戦車に改造される
梓→澪の親友で唯の幼馴染。密かに唯が好き
純→唯の親友で梓が好き
和→軍人。戦場で澪戦車に出会う。澪戦車に轢かれて逝去
ムギ→和の妻。だが心はムギの嫁。唯が中学生だった頃、唯を誘惑して寝た
憂→太公望の乗っている霊獣






※前回までのあらすじ

地球最後のラブストーリー。
澪よ、世界を殲滅せよ!






60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:13:11.99 ID:/eGV9b4y0
(憂の視点でお伝えしません)




いつものように纏わり付いてくる唯に、梓は複雑な気分だった。




自分が好きなのは澪で、澪が好きなのは唯で。
こんがらがった関係が、もどかしくて悔しい。

どうして。
そんな言葉だけが頭の中で繰り返される。



「部室の鍵、締めて来てねー」


気が付けば部活も終わり。唯と二人きりになっていた。






61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:18:52.62 ID:/eGV9b4y0


「帰りましょう、か……」

囁くように言った梓の手を、唯が掴んだ。

「まだいーじゃん」

「……」

ギュッと握られた手。
こんなことするから、澪先輩が誤解するんだ。私を憎むんだ。

梓は恨めしそうにその手を見る。


「唯先輩、手、いつまで……」

「嫌?」

「……っ、……はい」

切れ切れに、でもはっきりと、梓は言った。
唯の顔が見られない。






63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:21:02.54 ID:/eGV9b4y0
馬鹿みたいなふりして、人の心に入り込んでくるような、そんな唯の目が梓は苦手だった。


梓は、嫌と言ったことに、達成感と少しの後悔を覚えた。
唯は悪くない。ただの自分の八つ当たりだ。

訂正しようと思った。

「嫌というのは、そーゆー意味じゃなくて…」言いかけて梓は止まった。

さっきより強く手を握られた。

「は、なさないん……ですか……?」

「うん」

短く言って、唯は梓の強く噛まれた唇に口付けた。軽く。






64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:24:15.29 ID:/eGV9b4y0


「何驚いてんの」

「……」

「ね、あずにゃん……ううん、梓」

「……何で」

「好きだよ」


唯は笑いながらそう言った。嬉しそうに。
愛しいものを見るような目で梓を見つめながら。


「私は梓が好きだよ。知らなかった? 気付かなかった?
 …そんなわけ、ないよね」

「そんなの……っ、」


なんとなくは、わかっていた。
なんとなくというよりは、寧ろ確信に近かったけれど。






65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:25:51.92 ID:/eGV9b4y0

けれどそれは気付きたくないことだった。
気付いたら、認めたら、澪先輩との距離がもっと遠くなる。離れていく。憎まれる。

だから知りたくなかった。



言葉が続かない。頭が、ぐるぐるする。

混乱して開いた口から、自分でも驚くような言葉が紡がれた。


「澪先輩は唯先輩のことが好きなのに……っ」






67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:29:47.83 ID:/eGV9b4y0

どうしてそんなことを言ってしまったのかわからなかった。
しまった、と思った。

私は何を言ってるんだ。




しかし、唯の返した言葉は、梓をもっと驚かすものだった。


「知ってるよ」





つづく...See you NEXT !!






68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:31:45.99 ID:/eGV9b4y0
☆次回予告


次回は「シリーズ・パラグアイの、これから」が230分スペシャル版で放送されるのでお休みです。






69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:33:03.51 ID:/eGV9b4y0


憂「視聴率、とうとう1%切ったのに、つぎ休みなんて……もうやる気ないのかな」
唯「最近絵もなんか適当だよね」
憂「作画だよ、お姉ちゃん。しかしこれはいよいよやばいね、このアニメ」





72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:36:31.84 ID:/eGV9b4y0
○登場人物紹介○

唯→イヤホン造りに命を懸ける熱血職人。頭が薄い
澪→唯の右腕として働く若き職人。頭が薄い
梓→唯の娘。セキセイインコを飼っている。頭は触覚
純→イヤホンに恨みを持つ浪人生。こないだ骨折した
和→唯の取引先の専務。モットーは『焼き海苔』
ムギ→純の同級生だったフリーター。和の会社でバイトするナルシスト
憂→イヤホンの部品。あってもなくても音は聞こえる




※前回までのあらすじ

これは世知辛い世の中にめげず懸命に生きようとするムギの就職活動物語である。
おまいら見習え。

厳しい社会状況でムギは夢を叶えることができるのか?
憂は人様の役に立てるのか。
レッツ、イヤホン!






73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:40:48.05 ID:/eGV9b4y0
(引き続き憂の視点でお伝えしません)



知ってたよ。ずっと前から。





「う……そ?」

「知ってたよ。知っててやってたの。まあ」

固まったままいる梓に、唯はぐいと近付いた。

「あずにゃんが澪ちゃんを好きだっていうのは予想外だったけど」

「……ッ」






75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:43:21.39 ID:/eGV9b4y0

バシ、と梓は唯を突き飛ばした。
唯は少しよろけて、フ、と笑った。

「好きだよだから私のものになって?」

「は……」

「澪ちゃんだったら見込みないよ。あずにゃんを憎むことはあっても上手くいくことは有り得ない。
 私が澪ちゃんと付き合うこともね。だから、」

どん、と梓の肩を壁に押し付け、唯は言った。
普段の唯からは信じられないような強い力。

「痛っ……」

「いいでしょ?」






76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:45:52.33 ID:/eGV9b4y0
唯の手が梓に伸びた。指先で唇をなぞられる。
ぞくりとした感覚が背中に走って、梓は思わず声を漏らした。

「ひっ……」

「大丈夫、鍵は閉めたから」

「い、や……だっ……」

頭から思い切り倒された。
混乱と頭を打ったので思考回路が回らない。くらくらする。
唯は容赦なく梓の手を押さえ付けた。


「痛い……です、唯先輩……痛い」

「頭? 手? ……だって痛くしないと思い通りになってくれないでしょ」






78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:47:01.17 ID:/eGV9b4y0

全身がガンガン痛い。何も考えられない。考えたくないから丁度いいのかも知れない。
心と離れた部分で、梓はそう思った。

『もうどうにでもなれ』

薄く笑う唯の顔を見ながら、梓はずっと黙ったままでいた。






79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:49:39.27 ID:/eGV9b4y0






「好きだから、やったんだよ」

いつもと変わらない顔で、唯は言った。

「好きだよ」

梓は虚ろな目で窓の外を見た。さっきよりもっともっと全身が痛い。

「こっち見ろよ」

唯に強く言われ、梓は駆け出した。
ズキズキと痛むのは、頭だか体だか心だかわからなかった。澪の顔が浮かんだ。でもすぐ消えた。
もう絶対届かないと思った。彼女には。





81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:52:05.54 ID:/eGV9b4y0



「六時半、かぁ」

梓の去った音楽室で一人、時計を確認して、唯は呟いた。
長くため息を吐いて、鞄を背負う。

梓にしたことを、後悔なんてしていない。
これは成功……だ。

鍵を閉めながら、唯は心の中でそう繰り返した。







つづく...See you NEXT !!






82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:55:33.61 ID:/eGV9b4y0
☆次回予告


雨具戦隊カサレンジャーは今日も人を助けに出動だ!
カサレッド(澪)は敵に捕まったグレー(純)を救出するため、長官(ムギ)に外出届けを出す。
しかし同行するはずのグリーン(ムギ:二役)が言った。「や、グレーは見捨てる方向で」
レッドは言った。「そうだな」
ピンク:唯「えー!!!?」

ていうか雨死ね! 氏ねじゃなく死ね!
理由は人を殺すならば自分が死ぬべきだからだ。by唯一ネ申

次回「7人サッカー」見てね!






83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:56:23.76 ID:/eGV9b4y0


唯「このアニメおかしいよぉ。7時台にこんなのやっていいのかな?
  だいたい、女の子同士で好きとか襲うとか、ないよねー」
憂「うん、これは苦情とか来るんじゃないかなー」






85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:57:16.86 ID:/eGV9b4y0


澪「なんだこのアニメ……見えない聞こえない見えない聞こえない」ブツブツ






86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:58:18.87 ID:/eGV9b4y0


紬「あらあら」ポッ

紬「斎藤、このアニメのDVDを取り寄せてちょうだい!」






87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 16:59:40.89 ID:/eGV9b4y0


梓「こ、こんなの……ふ、不潔ですっ!ハァハァ」ハァハァ





88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:00:51.04 ID:/eGV9b4y0
☆パ★ラ☆リ★ラ☆ 次の週 ☆パ★ラ☆リ★ラ☆


        _
        ノ |_   ll__l---||_       Nice boat.
      rj「l__`ー'  ヽlーj  L---┐
      |―┴┴―`ーrュ-‐< ̄.ィj .__jl
      |[][][][][][] i """ _..,,rr=''´ l
      l ̄ ̄ ̄ ̄/7-‐'´     /
   f  jL-、 _-‐'      -‐´~~
   ヽ |  ̄  _j_ -‐'~´~~
     `ー~´~~~~



憂「あーあ、言わんこっちゃない」





89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:01:34.68 ID:/eGV9b4y0
☆パ★ラ☆リ★ラ☆ 次の次の週 ☆パ★ラ☆リ★ラ☆



『新番組、星銃士ビスマルク!』


唯「あれー、あの番組じゃないよー」
憂「仕方ないよ。お姉ちゃんも、そろそろアニメは卒業しようか」
唯「えーだって憂にチャンネル渡すとN*Kばっかでつまんないんだもんー」
憂「じゃあ今日は特別に東京MX見ていいから、ねっ」


プツンッ――






92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:02:40.08 ID:/eGV9b4y0


律「ひゃーはっはっはっは! 最近のテレビ局は脆いぜ!
  ネットで叩いたり新聞に投書出しまくったらすぐ打ち切ってやんの!

  ざまあみろ、これも私をハブった罰だ……!

  はっはーっはーははぁぁがはははは!




  …………はあ」




終わり





94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:05:44.82 ID:/eGV9b4y0
もういっこ短いの投下したかったが時間切れだ


ドモアリガトゴザマシタ
クソ展開ゴメナサイ





99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:51:22.52 ID:iuKr7xLN0
まだ残ってたので投下予定だったもの書く






100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:52:16.23 ID:iuKr7xLN0

澪「暗い」



陽の当たらない私たちの部屋は、いつでも光に満ちていた。
誰も踏み入れようとしない薄暗いそこは、確かに私のためにあった。
彼女がどう思っているかなんて考えはしなかった。
ただ私の前で笑っていてくれればよかった。

「律は、私のことをなんでもわかってくれるんだな」ってそう言ったら、
律は困ったような表情で「そんなことないって、全然」って、笑ったんだ。





101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 17:55:14.38 ID:iuKr7xLN0


 高校を卒業して、私たちは大学に進学した。
 それを期に、私と律は、実家を出て、ルームシェアをすることにした。
 大学は別々だったけれど、一人暮らしをしたがっていた律が、私と一緒ならという条件付きで両親に許しをもらったのだ。


 けれど、だんだん律の様子がおかしくなっていくのを私は感じていた。
 私と律、二人だけの部屋なのに、人を上げようとしたり、それについて私が苦言を呈すると嫌な顔をしたり。
 誰にも覗かれたくないからカーテンを閉めたままにしているのに、勝手に開けたり。

 律はどうしてしまったのだろう。






102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:00:13.84 ID:iuKr7xLN0




 律は、研究課題が忙しいのだと言って、何日も何日も帰らなかった。
 勿論最初から全くおかしいと思わないわけじゃなかった。
 そもそも一年時では、そんなに大変な研究課題など、少なくとも私の大学にはなかった。
 それに夜通し何をするというのか疑問だったし、仮に研究発表の準備などがあるのだとしても、そんなに何日のかかるものだろうか。

 どうにもおかしい。

 でも律が私に嘘をつくはずはないと思っていた。
 私がそうであるように。

 しかし、和から、律が何日も唯の家にいるという連絡を受けて、私は真実を知った。






103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:05:08.30 ID:iuKr7xLN0


「なんで嘘をついたんだよ」

 責めるような口調じゃなかったと思う。
 私は別に怒っていたわけじゃなかった。純粋にわからなかった。律が私に嘘をついた意味が。

 でも、律がとてもとても、なんていうか、つらそうな顔をしたから、私は少し焦った。

「お、怒ってはないよ? なんでなのか、知りたいだけなんだ」

 しかし、そう言っても律は黙り込むばかりで、私はちょっとぞっとした。
 何にかはわからない。ただ、なにか今までと違うよくないことが起きる気がした。






104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:07:20.03 ID:iuKr7xLN0

 微かに震える肩に触れようと手を伸ばすけれど、律が悲しそうにこっちを見るから、
 それは暗に私の手を拒んでいるのだと読み取れてしまったから、どうしようもなくて、手を宙に這わせた。

 私だって、もともと気の長いほうじゃない。

 一向に口を開く様子を見せないものだから、つい強く言ってしまった。

「なにか、あったのか? 私のせい? 言ってくれなきゃ、わからないだろ」

 するとどうだろう、律はほんの少しだけれど、笑った。

 私にはそれが何を意味するのかさっぱりわからなかった。
 私を馬鹿にしているとか、呆れているとか、そんな顔じゃなかった。
 いいや、それ以前に、律は、律はそんな奴じゃない。







106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:08:36.87 ID:iuKr7xLN0
 笑い顔を見せてくれたことに安心して、私も、へらりと笑おうとした。
 けれどそれは阻まれた。

「理由とかはないんだよ」

 温度が感じられない声に、半分吊り上げていた口角が止まった。

「ただ……」

 伏せられた視線の先を見つけようと必死に追うけれど、律の瞳の奥は何も見ていない。
 冷や汗が伝う。

「女同士に目覚めたんだよ」
「なに……」
「女子高出身だと珍しいことでもないだろ? ほら、唯って可愛いしな」

 かあっと胸の奥が熱くなった。振り上げそうになった拳を必死に抑えた。
 どうしてかわからない。理由もわからないれど、悔しい。







108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:10:57.95 ID:iuKr7xLN0

「嘘だろ」

 情けない声が出た。

「……うん。嘘だ」

 律は当然のような顔をして頷いた。私には律の言動の意味がちっともわからなかった。

「どう、したんだよ。どうしてだよ。律の考えてること、全然わからない」

「私もだよ」

 鋭い声だった。物凄く、本音を言われた気がした。

「全然、わからないんだ」


「嘘! 嘘だ!」


 律は、いつだって私のことをわかってくれた。
 私はそれが心地よく、とても特別で、他の誰にもありはしないのだと思っていた。

 けれどどうだろう、今の律は。啓けたような瞳でこちらを見ている。
 私の知らない顔をしている。






109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:12:47.71 ID:iuKr7xLN0
「じゃあ、なんだよ、唯のことならわかるっていうのかよ」

「……唯は、私に期待なんてしないよ。私が自分の全部をわかってるなんて、思いはしないんだ。
 普通は、そうなんだ」


 正しいのは私で、おかしいことを言っているのは律だ。
 何を言っているのかちっとも要領を得ない、わからない。わからないはずなのに、痛いのはなぜだろう。

 唯は期待しない。
 私は、する?

 唯は、律が自分の全部をわかってるなんて思いはしない?
 だってそれは。

「そりゃあ、そうだろ!? だって、だって律は私のことだけわかってればいいんじゃないか!
 唯や、みんなのことなんか、私のこととと同じふうにわかってるはずない!」

「やめて澪、痛い……」

 掴んだ腕を、律が無理くりに振り払った。
 弾かれた手がじんじんと痛むけれど、律がそんな顔で私を拒絶することのほうが、余程に痛い。






110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:14:56.36 ID:iuKr7xLN0




「ずっとずっと、澪がこわかった。何考えてるのか、わからなかった」

「は?」

「“律は私のことなんでもわかってくれる”って、そう言われるたび、こわくて、心が痛かった。
 本当は全然そんなことないのに!」


 ――他人が入り込むことを拒みつつ、私を盲信していることがおそろしかった。
 それでいて本当の私なんて見てはいない。私が何を思っているかなんてどうでもいい。
 そんな澪が、こわい。あの部屋に帰るのがこわい。私以外誰も入れない、あの部屋がどんどん完成されていくのを、見たくなかった。


 律が言っているのを、私は拷問を受けるような気分で聞いていた。


 だって、笑っていたじゃないか。
 楽しそうにしていたのに。






111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:17:33.01 ID:iuKr7xLN0

 確かに私は、律の思っていることなんて、考えもしなかった。明るい顔の裏なんて読み取ろうともしなかった。訊きもしなかった。
 それでも私のことはわかっていてくれている、それで律が笑っていてくれればそれでいい。
 そう思っていた。


「私が悪いんだ。澪の期待に添えない」

「ちがう……」

「ううん、でも、私は澪のことが好きだったんだ。だから無理だった」

「私だって、好きだよ……!」

「だからなんだ。多分私たちの好きは違う。私は、本当にわかりあっていきたかった」






112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:18:42.41 ID:iuKr7xLN0

 それはまるで私は閉鎖的で屈折していると言っているように聞こえた。

 そうじゃない、ただ私は律以外の誰にもわかってほしくなかった。
 誰にもあの部屋に入って欲しくなかったんだ。

 それを歪んでいるといわれれば、仕方がない。
 けれど律にはわかってほしかった。

 受け入れて、「私もそうだよ」と笑ってほしかった。



「ごめん、澪。ごめん」






114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:20:55.83 ID:iuKr7xLN0
「仲直りした?」

 廊下で出会い頭、ムギに訊かれた。彼女とは同じ大学の別学部に通っている。

 律とのことだろうと、ぼうっとした頭で思った。
 そういえば、ムギは唯と同じバイト先で働いているのだ。

「うん」

 本当は喧嘩じゃないとか、そんなことを言う気もなかった。虚ろな返事にも気に留めず、ムギは言った。

「それなら、よかったわ。唯ちゃんの家に来なくなったって聞いていたから、そうだとは思っていたのよ。
 二人が喧嘩なんて珍しいじゃない? だから心配だったの。りっちゃんは私にはなにも言わないし」

 私には、という言葉が引っ掛かって、胸がずきんと痛んだ。
 けれど、詳しく訊く気にはならなくて、適当に笑顔を作ってやり過ごした。






115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:23:34.99 ID:iuKr7xLN0

 多分あの部屋に帰れば誰かがいて、それは律と、『私ではない誰か』だ。
 律はきっと笑っているだろう。私の前で見せるのとは全然違う顔で。




「おかえり澪ちゃん」
「あ、澪。唯、今日泊まるってさ」
「えへへ、よろしくー」


 ほら、やっぱり。





 私が隠していた扉はこじ開けられてしまった。
 たくさんの光が入ってきたのに、私はちっとも明るくなかった。


 あの、薄暗い部屋が。
 律と私だけの眩い部屋だけが、私の宝物だったのに。



終わり





116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/14(水) 18:24:35.94 ID:iuKr7xLN0
今度こそ本当に終わりです
アリガトゴザマタ








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[ 2010/07/29 12:00 ] けいおん!SS | TB(0) | CM(3) | このエントリーを含むはてなブックマーク


憂ホールの人か
りっちゃんが最後に登場してよかった
[ 2010/07/30 00:33 ] [ 編集 ]


つまんね、高校生が頑張って書いた感じ
[ 2010/07/30 11:44 ] [ 編集 ]


キャラ崩壊のシリアス書くんならこういうの書いて欲しいね
[ 2010/07/30 12:36 ] [ 編集 ]
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けいおん系SSばっかりです。


ひさびさに左上更新してみましたw


とはいえ特に書く事もありませんが(笑)


このブログも開設から1年以上経過するんですね…


とりあえず「けいおん!!」のアニメが終わるまでは頑張って更新し続けたいと思います
2010年7月24日


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